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最高裁判所第三小法廷 昭和43(行ツ)117 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人馬淵正己の上告理由および上告人の上告理由第一点ないし第三点につ

いて。

昭和三八年法律第九九号による改正前の地方自治法(以下旧法という。)二四三

条の二第四項に基づく住民訴訟は、法律の定める限度で許される訴訟であつて、旧

法二四三条の二第一項掲記の行為に徴すると、公金の支出、義務の負担ないしは財

産上の損失を伴わない単なる収入を発生させるにとどまる行為は、かりにそれが違

法な場合であつても、同条四項所定の住民訴訟の対象とすることはできないものと

解するのが、相当である。本件訴訟の対象は、普通地方公共団体である被上告人を

受贈者とする贈与契約であつて、単に被上告人に収入を発生させるにとどまるもの

であるから、右契約が、かりに上告人主張のような理由で違法であるとしても、住

民訴訟の対象とすることができないものといわなければならない。�

したがつて、右贈与契約が住民訴訟の対象事項にあたらないとした原審の判断は、

結論において正当である。論旨は、右と異なる見解に立つて原判決を非難するかあ

るいは原判決の結論に影響のない部分の違法をいうものであつて、採用することが

できない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官

全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 辻 正 己

裁判官 関 根 小 郷

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裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 江 里 口 清 雄

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